vol.13  子どもの咬合を考える会主催 「すこやかな子どもに育つ0歳からのアプローチ~不正咬合は予防できる~」

by dent on 3月 31, 2016

2016年3月13日に開催された 子どもの咬合を考える会主催
第20回記念特別講演会
「不正咬合は予防できる~胎児期・乳幼児期におけるデンタルアプローチの大切さに気づく」
をスタッフ一同で受講しました。

【会 場】立命館大学 朱雀キャンパス 5Fホール

講演内容は

【石田 房枝 先生】
石田歯科医院
赤ちゃん歯科ネットワーク代表
【講演タイトル】
お腹の中から歩き出すまで ー歯科に及ぼす粗大運動発達期の影響ー

【増田 純一 先生】
マスダ小児矯正歯科医院
著書『0歳から”噛む”健康長寿』
【講演タイトル】
乳幼児期の食べ方が生涯の噛み合わせと口腔機能を作る

講演会後のシンポジウムでは、当会から「不正咬合を予防する・子育ち10ヶ条・幼児学童期編」が紹介されました。
その後「不正咬合を予防する・子育て10ヶ条・乳幼児期編」が参加者全員のアンケートの集計をもとに石田先生、増田先生と当会会員3人が加わり討議されました。

 

東岡 友紀(歯科衛生士)の感想


今回の講演では、午前と午後に分かれお二方の講師からとても興味深く、素晴らしいお話が伺えました。
石田先生からは、お腹の中に赤ちゃんがいる時期から歯並びへの影響が始まり、出産後たった一年でその子の顎が将来どのように成長するかが決まるということを教えていただきました。私が考えていたよりも乳幼児期における子育てが歯並びに及ぼす影響が大きくて、とても興味深く聞かせていただきました。
お話の中では、赤ちゃんも大人と同様に筋肉が凝り固まり、それを除去してあげる事により赤ちゃんが自由に動ける環境を作ってあげられるということ、そして粗大運動を しっかりさせていくなど、様々な観点から左右対称に育てることで、両足でしっかりと安定して立つ事が出来、ひいては安定した咀嚼に繋がっていくということを学びました。

増田先生からは、乳幼児期の食べ方が生涯にわたり歯並びや口腔の機能に影響を与えるというお話を聞かせていただきました。離乳食期におけるスプーンの使い方 一つでも口周りの筋肉を鍛える事が出来る、特に前歯でしっかり噛み口唇を閉じて咀嚼していく事で、いい口蓋が作れるのだと教えていただきました。
一つ一つの積み重ねがいい歯並びを作り、安定して咀嚼できる状態になってこそ、生涯の口腔の健康、そして全身の健康を獲得出来るのだというお話でした。

私も子供を持つ母親ですので、今回の講演を受け参考にさせていただきたいところが沢山ありました。正しい舌の位置の固定、日常的に左右対称によく噛んで食べる事、鼻呼吸の徹底など日頃できる事を取り入れていこうと思います。

現代は様々な子育て法がある中でお母さん達は選択し決めていかなければなりません。私たちはしっかり噛めることの素晴らしさを伝え、歯並びにいい影響が出るようその手助けをしていきたいです。

 

吉田 光代 (歯科助手)の感想

午前中の石田先生のお話は、胎児の時のお腹での姿勢や新生児の頃の体勢や生活などが、成長していく子供の顎にとても大きく影響するという、歯科の枠を超えすごく大きなスケールと感じました。臨床心理士の観点からのお話しもあり、とても素晴らしい勉強になりました。

午後からの増田先生は、乳歯が生えはじめてから歳を重ねて成長していく上で、《噛む》ということが人間としての生きる力になり、精神発達や知能発育には不可欠であるということをとても力強く話されるお姿に、心惹かれるものがありました。

今回の講演会での先生方のお話しを自分と自分の子供に当てはめて考えると、本当に不正咬合は予防できるということ、骨格は遺伝では無いということが実感できました。欲を言うと、妊婦の時に知りたかったことばかりです。なので、たくさんの妊婦さんやこれらか子供を産む子供達に学んだ事や実践した事を伝えていける場があればと思います。妊婦向け雑誌や育児雑誌を出版しているベネッセと和光堂の雑誌をこの1週間色々知らべたのですが、離乳食の時期や料理法は細かく載ってましたが《噛む》《噛ませる》大事さについては載っていませんでした。こんな大きなスケールの話、是非連載して欲しく思います。

《噛む》という当たり前のことが、生きていく上でどれほど大事なことかを患者様に伝えていくのはとても難しいですが、先生方のお話しを思い出したくさんの患者様に伝えていきたいと思います。