子どもの咬合を考える会「お口を育て守るために」2017年7月19日(水)

by dent on 7月 31, 2017

7月19日(水)20:00~
場所:京都保険医協会
講師:子どもの咬合を考える会会員 小石剛 先生
子どもの咬合を考える会

「お口を育て守るために」

私は今回、初めて勉強会に参加させていただきました。私が小学校一年生から短大卒業の年まで歯列矯正をしていたこともあり、子どもの咬合発達にはとても興味がありました。

現在、就学前の子どもの5人中4人は歯列が悪いということ、その中で遺伝の影響は4人に1人、4人中3人は口腔機能の未発達によるものだと聞いてとても驚きました。ほとんど遺伝によるものだと思っていたからです。その上私は、子どもの月齢に合わせた食事を与えていれば(たくさん噛ませていれば)勝手に発達していくものだと考えていましたが、口腔の健康的な発達には噛むことは勿論のこと、身体全体で取り組まないといけないことも学びました。

口腔機能は口と鼻と喉の協調運動で成り立ち、その中で生命活動の食(食育)、呼吸(息育)、姿勢(足育)の『3S』がとても大切だと知りました。この3つは密接に関係しており、どれか1つが崩れていれば他の2つも崩れている可能性があるので、確認する必要があります。そしてこの『3S』すべてに関連してくるのが舌です。

食(食育)では、正常な嚥下・正しい咀嚼をするために歯の生え方や唇と舌の動きを見て与える食物を考えなければいけません。

呼吸(息育)で大事なのは鼻呼吸をすることです。鼻呼吸をするためには(食事・会話時以外は)口唇が閉じていなければなりません。

姿勢(足育)は、足底接地が重要になります。椅子に座って食事を与える際に、常に足裏が床に付くように座ると下半身が安定するので、それに連なって上半身も安定し、正しい嚥下に繋がります。床に座って食べられる年齢になってきた時には正座が良いということも教えていただきました。

これらを3歳ごろまでに育て指導することで、上顎も自ずと成長してきます。上顎の成長ピークは5歳ごろまでなので、歯列はもちろんの事、食事の取り方など少しでもおかしいなと感じたら本当にすぐに相談するべきだと思いました。勉強会の中で、食事の取り方で不安が出てきた際に何が原因かをすぐに調べられる資料も配布していただき、これからお子さんが治療に来た時はその資料を基にお子さんの癖などを観察し、お子さんと親御さんから情報を上手く引き出し、活用していこうと思いました。

歯科助手 赤﨑愛美